やぁ~ぶぅ~れ~ ひとえ~にぃ~ しゃぁ~みせぇん だけばぁ~ べん べん べん
作詞 星野哲郎、作曲 船村 徹、唄うはもちろん北島三郎の名曲「風雪流れ旅」の一節である。

大停電などで中断を余儀なくされた“冬の旅”最終日は「風雪流れ旅」ではなく、その歌のモデルになった高橋竹山。「風雪流れ旅」は、戦前の東北では盲目の者の少ない選択の一つであった門付け(娯楽の少ない東北や北海道の民家の玄関先で唄などを唄い、その日の食を得る仕事)から戦後の民謡芸能者として地位を築いた高橋竹山の半生を作詞家星野哲郎が渾身の筆で詩にしたもの。北国に住む自分でも竹山翁(ばかりではなかっただろうが)の苦労がしのばれる。
例によって荒海の写真を撮りに浜まで行ったのだが、荒天の中を彷徨っていたら高橋竹山翁の津軽三味線が聞こえてきた。

津軽三味線といえば最近では吉田兄弟などが派手なパフォーマンスをみせているが、竹山翁の津軽三味線は今聞くと非常にシンプルに聞こえる。しかし、その単純な音(玄人筋に云わせると超絶技法だという)のすぐ後ろには、冬に聴けば冬の荒れた海の風の音が、春に聴けば水田の稲の葉が風になびく音が聞こえる。